狂犬病(きょうけんびょう)

|

【原因】
狂犬病ウイルスが原因の,人間を含む温血動物の多くに感染する恐ろしい伝染病です。現在わが国では,厳重な検疫体制および予防注射の実施により発生の報告はないですが,東南アジアやアメリカなどでは,野生動物などにいまだに発生があるので要注意です。ウイルスは動物の体外では簡単に死滅してしまいますが,感染動物から咬まれると,神経の中に入り込み狂犬病が発症します。
狂犬病ウイルス(ラブドウイルス・リッサウイルス属)が原因。発病している動物の唾液中にウイルスが存在し、これがかみ傷などから感染します。人を含めたすべての哺乳類に感染します。発病すると致死率100%の怖い病気です。

【症状】
初期には典型的な狂犬病の症状は出ずに,むしろ野生動物が昼間に出現して人間に近寄ってくるといった行動の変化を起こしたり,不活発になったり,あるいは飼育のペットが性格が変わり,物音に驚いたり,隠れたりします。次に周囲の音や刺激に過敏となり,なんでも咬むようになると,はっきりした狂犬病の症状と考えられます。また一部は意識が鈍くなるものもあります。そのうちに神経症状と呼ばれる麻痺などがみられるようになります。そして呼吸の麻痺のために死亡します。通常は症状がみられてから2-7日で死亡します。
「狂躁型」と「まひ型」に分類されます。「狂躁型」は1?4週間の潜伏期の後に不安、挙動異常などの前駆期があらわれます。2?4日後に凶暴性を発揮し、やがてまひ期に移行して最終的には死に至ります。「まひ型」は凶暴性を示さずに前駆期からまひ期に移行し、起立不能、昏睡状態になり死亡します。

【予防】
狂犬病予防法により、年1回の予防接種が義務づけられています。日本では長らく発生していないので安全と思われがちですが、ロシアの船に同乗している犬が狂犬病を持っており、危険が示唆されています。当局の場当たり的な政策のために、発生してから慌てることになると、狂牛病の二の舞ですから、しっかりと予防接種を受けてください。海外からの動物には検疫が義務付けられています。海外で、犬やほかの動物にかまれたりしないように、心がけておくことが大切です。特に、野生動物は、さまざまなウィルスを持っています。感染しないように、むやみに接触しないようにしましょう。

【治療】
発症した動物の治療は人間への危険性から勧められない.狂犬病が疑われた場合には,関係当局へ連絡の後,獣医師により安楽死が行われ,脳の検査で狂犬病であるかどうかの確定診断が行われます。

★万が一、自分の飼い犬が、人をかんでしまったら
犬が人をかんだ場合、保健所に届け出ましょう。法律により、届け出る義務があります。また、かんだ犬が狂犬病を持っていないかどうかの鑑定を獣医師にしてもらわなくてはなりません。