愛犬はかけがえのない家族の一員です。家族の一員となったことで、
昔とくらべ、愛犬の生活環境は格段によくなりました。嬉しいことに寿命も
格段にのびてきています。しかし、それにともなって、”生活習慣病”といえる
ような疾患が出てきているのも事実です。犬の三大成「犬」病なるものを定義する
なら、ガン・心臓病・糖尿(肥満)となるでしょう。加えて、今後心配されるのは、認知症の増加です。
糖尿病を例にとってお話しましょう。現在、犬の死因は、主なものとして、ガン・心臓病(フィラリアを含む)・腎臓病・脳障害となっています。心臓と腎臓とは病気の上で非常に密接な関係にあります。糖尿病は死因にはあげられていませんが、間接的な要因にはなっています。糖尿病になると血管がボロボロになりますから、心臓や腎臓などなど体中に悪影響が出てきます。血管が傷害されると脳にも障害が出ます。合併症と呼ばれるものです。これらの見識については、人の糖尿病でよくご存知だと思いますが、糖尿病が起こるメカニズムは人でも犬でも同じです。糖尿病といえばすぐ思い浮かぶのは肥満です。ですから、犬でも人と同じように、食事には気を使っておかないといけません。しかしながら、特に認識しておいてもらいたいのは、愛犬に食事を与えるのは飼い主だということです。「愛犬の肥満は100%飼い主の責任」です。
肥満についてもう少し詳しく説明しましょう。肥満の原因には、「環境
要因」と「遺伝的要因」と言われるものがあります。環境要因というのは、
生活習慣・食生活などが引き金となって生じるものです。食べ過ぎ(脳障害
による摂食異常もある)、運動不足、ストレス、避妊手術による影響(ホルモンバランスの変化)、高脂肪食・高エネルギー食などです。
一方、遺伝的要因というのは、遺伝子の中には糖分を取り込んだり、取り込んだ栄養を代謝したりする遺伝子というものがあり、その遺伝子が人でも犬でも個体差があるために生じるものです。つまり、栄養の取り込みや代謝には遺伝子レベルで違いがあり、「太りやすい体質」や「やせにくい体質」といったものが遺伝子レベルで分かるようになってきています。ただよく誤解されるので、次のことは強調しておきます。遺伝レベルで「太りやすい体質」や「やせにくい体質」であることが判明しても、あきらめる必要はないということです。あらかじめ体質を知っておけば、”予防”することが十分に可能です。愛犬に食事を与えるのは飼い主です。体質にあった必要な栄養素をきちんと与えてあげるといった愛犬の健康管理を行うことで、愛犬には人間以上に効果的な”予防”が可能となります。
肥満を例にとってもそうですが、愛犬のこれからの健康管理では、”予防”
がますます大事になってきます。そのポイントは大きく2つあります。1つは、
やはり「食は健康の基本」ということです。原材料の質のよいもの、必要な
栄養が満たされているものです。必要な栄養が満たされないと、不足して
いる栄養分を取ろうとして食べる量が増えます。もう1つは、もって生まれた
愛犬の大切な体質をよく知るということです。その体質にあった健康管理を目指す、ということです。