先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん)

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先天性心疾患には多くの種類がありますが、臨床症状は心奇形の程度によって左右されます。まったく症状を示さずに通常の生活に支障をきたさない例から、生後まもなく重篤な症状に陥る例などが認められます。プードル、シェットランドシープドック、イングリッシュブルドック、フォックステリア、柴犬などの犬種に多くみられ、本症の発生率は1000頭に1頭の割であるとされています。

【原因】
心奇形とは生まれたときにすでに心臓に解剖的な異常を持っている心臓をいい、その原因には遺伝性、あるいは妊娠中になんらかの原因で心臓の発育に異常が生じた場合が考えられます。いろいろな心奇形が原因となって種々の障害を生じることになります。

【症状】
先天性心疾患の臨床症状は、心奇形の種類および程度によって異なります。心疾患のうち、血液が左心系から右心系に移行例を左?右短絡性心疾患とよびますが、臨床症状の発現は欠損孔(けっそんこう)の大きさ、あるいは開存している動脈管の太さに左右されます。通常は左心負荷による左心不全の症状がみられますが、大きな欠損孔あるいは太い動脈管の場合は、浮腫(ふしゅ)腹水などの右心不全の症状が加わります。これに対し右?左短絡性心疾患の代表的な心奇形とされているファロー四徴症は、大きな心室中隔欠損孔と肺動脈峡窄により右心室の圧が上昇して静脈血が直接大動脈に移行する。したがってチアノーゼ、呼吸速迫、運動不耐性が認められます。一方、大動脈狭窄症および肺動脈狭窄症は、心室からの出口が狭窄しているために左心室あるいは右心室の圧が上昇し、結果的に左心不全あるいは右心不全を招来させるが、とくに前者は臨床症状を現さず、急に死亡場合がみられます。後者では、腹水、あるいは浮腫などの特徴的な右心不全の症状を現します。

【予後】
先天性心疾患の予後を決定づける要素は、心奇形の程度です。たとえば心室中隔欠損症では、欠損孔の大きさにより心雑音のみで他の臨床症状を示さない例も多く見られます。一般に小さな欠損孔の場合、予後は良好です。このような状況を考慮した場合、先天性心疾患では、6ヶ月未満で臨床症状が発現した場合には、治療を行わないかぎり1年未満で死亡する場合が高いです。先天性心疾患の治療は、最終的には外科手術を考慮する必要がありますが、現状では内科的治療に頼ることが多いです。とくに、安静と食餌療法はもっとも効果的な治療のひとつであり、この方法によってかなりの長い年月一定の状態を維持することができます。