【症状】
いずれの場合も特徴的な臨床症状はありませんが、多中心型では飼い主がリンパ節の腫大に気づくことが多いようです。また嗜眠(しみん)、体重減少や食欲不振が認められます。身体検査では肝臓や脾臓の腫大を伴うことも、伴わないこともありますが、痛みを伴わない全身のリンパ節腫大が認められます。前縦隔型では、呼吸困難、頻呼吸、発咳やチアノーゼが観察されることが多いです。また消化器型では嘔吐、下痢、食欲不振や体重減少が認められ、さらに消化器通過障害や腹膜炎が観察されることもあります。その他、皮膚、眼、腎臓などに病変が認められることもあります。診断は血液検査、X線検査、超音波検査所見などに基づいて行われますが、胸水や腹水中の細胞診あるいはリンパ節生険などが必要となります。
悪性リンパ腫は病変の解剖学的な位置から多中心型、前縦隔型(ぜんじゅうかくがた)、消化器型、皮膚型に大別されます。このうち犬では多中心型が症例の80%以上を占めます。本症の原因は明らかではありませんが、ボクサー、セントバーナード、ラブラドールレトリバーなどの犬種に発症頻度が高いため、遺伝的素因が推測されます。また好発年齢は6?12歳齢の壮齢から老齢の犬に多いです。