股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)

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犬に多い遺伝的疾患のひとつです。急速に、発育・成長する大型犬に多い病気で、原因の約30%は成育環境にあります。股関節の骨の成長が十分でなく、丸くなっているはずの大腿骨の先が扁平になっていたり、受け皿である骨盤のくぼみが浅かったりで骨と骨がうまくかみ合わない状態をいいます。遺伝的な要因が多いとはいえ、子犬の時の肥満も原因にのひとつです。発育期に肥満になることで、骨や筋肉のバランスが崩れ、骨の組織が正常に発達できなくなって起こることがあるのです。特に、生後60日の間に、骨や筋肉に加わる力が発病に関係します。成長の早い大型犬が発病しやすいのもこのような理由からです

【症状】
片方の関節だけに起こる場合もありますが、両方の関節に起こるほうが一般的です。生後6カ月くらいから、症状が現れてきます。腰を揺らしながら歩いたり、走る時に両足を揃えて走ったりします。歩き方がいつもの様子と違う、ほかの犬と違うと感じたら、よく観察するようにしてください。ときには後ろ足が立たなくなってしまうこともあります。歩く時に腰が左右に揺れる、後の両足をそろえてうさぎ跳びのような格好をする、変な態勢で座る(横座り)などの症状があります。
病院では、X線検査を始めとして触診などの診察をします。触って痛がる場合は、軽く麻酔をかけて、X線検査をします。

【治療】
治療は、形成不全の状態により変わります。軽度の形成不全の場合は、運動をさせず安静にして、まず体重を落とすようにします。進行が進んだ場合は、運動と体重を制限をしたうえに、鎮痛剤や抗炎症剤などを使って、薬物療法を行います。病状が重く、内科的治療で効果がみられなかった場合は、手術を行います。さらに、病状が深刻な場合は、大腿骨骨頭を切り取って、関節を整復する手術をします。人工関節に取り替える手術も非常に効果的ですが、人工関節が高価なこともあり、欧米に比べ日本では普及が遅れています。

【予防】
股関節形成不全の発症原因の70%は遺伝的要因です。子犬を飼う場合は両親が股関節形成不全でないかチェックするようにしましょう。