【症状】
肺腫瘍は発生部位、種類、大きさ、増殖速度、原発性か転移性か、二次感染の有無などにより症状はさまざまです。実際のところ肺腫瘍の犬の1/3は、飼い主が気づかないといいます。肺腫瘍単独で症状が発現する場合には病勢の進行した例が多いです。全身性の症状としては、疲労しやすい、食欲不振、体重の減少、発熱、呼吸速迫または呼吸困難、咳、喀血(かっけつ)などがあげられます。転移性肺腫瘍では原発の腫瘍の症状が強く発現し肺の転移病巣に起因する症状を示すことはありません。また一肢ないしそれ以上をひきずったり、腫脹や疼痛を生じた場合には、肥大性肺性関節症を併発していることがあります。
肺腫瘍の多くは移転性腫瘍であり、原発性腫瘍の発生は比較的まれとされています。犬の腫瘍で肺に転移をおこすものには骨肉腫(こつにくしゅ)、乳腺腫瘍、悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)、そのほかがあります。ほかの腫瘍と同様にその原因は明らかではありません。
原発性の肺腫瘍は5歳齢以上に発生しますが、その大半は10歳齢以上といわれています。転移性肺腫瘍では原発部位や腫瘍のタイプによって発症年齢が異なり、骨肉腫の犬では比較的幼齢でも肺転移がおきます。